こんにちはYukikake(@Yukikake_tw)です。
前回に引き続き動画撮影基礎の基礎!今回のお題は「撮影時のフレームレートについて」です。
まずは前回のまとめから!
・動画中の各静止画=フレーム
・1秒間あたりのフレーム数=フレームレート
・フレームレートの単位=fps
・フレームレート≒滑らかさの数値
・高fpsほどデータ容量が大きくなる(画質劣化のリスクもあり)
・自然な動きは24fps or 30fps
・映像表現毎に適正fpsは異なる
※フレームレートがわからない人は前回記事、第1回 今更聞けない動画撮影基礎の基礎! - フレームって何?フレームレートって何? - 30歳から全力YouTuberをご覧ください!
これを読めばあなたもきっとフレームレートマスターに!?
撮影フレームレートと表示フレームレート
まずフレームレートを理解する上で大切なことは撮影フレームレートと表示フレームレートの存在を理解することです。
撮影フレームレートとは?
撮影フレームレートとはつまり、カメラで撮影した際に1秒間を何コマに区切って保存しているかということです。
1秒間を120コマに区切って撮影していれば120fps撮影ですし、1秒間を24コマに区切って撮影していれば24fps撮影です。
わかりにくい人はパラパラ漫画の枚数=撮影フレームレートとイメージすると良いでしょう。
例えば人が3秒間で右手をあげるパラパラ漫画を作るとして、3秒間で360枚の絵を描けば120fpsですし、3秒間で72枚の絵を描けば24fpsです。
表示フレームレートとは?
表示フレームレートとはつまり、実際にそれを1秒間あたり何コマ表示するかという事です。
1秒間に120コマ表示していれば120fps表示ですし、1秒間に24コマ表示していれば24fps表示です。
わかりにくい人はパラパラ漫画のパラパラ速度=表示フレームレートとイメージすると良いでしょう。
例えば人が3秒間で右手をあげるパラパラ漫画があったとして、それが360枚の絵で構成されていたとします。それを3秒間で360枚分パラパラすれば120fpsですし、3秒間で72枚しかパラパラしなければ24fpsです。
高fps撮影を低fpsで編集すると...?
フレームを間引いた場合
では、例えばここに1秒あたり24コマ(24fps)で撮影した動画があったとします。もしその素材を1秒あたり4コマで表示したらどうなるでしょうか?
こちらは前回示した例になりますが、左が24fps素材を24fpsで編集したもの、右が24fps素材を間引いて4fps編集したものになります。
イメージとしては4fpsで表示、表示した右の画像は、24fpsの6コマ中1コマを等間隔に切り抜いて1秒間に4コマのペースで表示している状態です。
ようするに24枚のパラパラ漫画(撮影fps=24fps)があったら1, 7, 13, 19ページ目を抜粋して1枚ずつゆ〜〜〜〜〜〜っくりパラパラしている状態(表示fps=4fps)ですね。
間の絵は捨てられてしまっているため、絵と絵の繋ぎの情報が少ないためカクカクして見えます。余った絵は捨てられて表示されていない状態です。
これだと「間の余った5コマはどうなったの?いらない子なの?」ってなりますよね?
では、もし24fpsで撮影した素材を4fps表示し、しかも全てのフレームを捨てずに再生したらどうなるのでしょうか?
高fpsのフレームを全て使ったらスローモーションに!
左はそのまま24fps素材を24fpsで表示したもの、右は24fps素材を全てのフレームを使って4fpsで表示したものです。
どうでしょうか。右のほうがゆっくりした動きに見えませんか?
24fpsで1秒撮影した場合、素材としては1秒あたり24フレームが存在するわけです。
それをもし4fpsで編集、全て表示すれば24コマを1秒間に4コマずつ表示するわけですから24/4=6秒分になりますよね?
ようするに24枚のパラパラ漫画(撮影fps=24fps)があったら1ページ目から順番に1枚ずつゆ〜〜〜〜〜〜っくりパラパラしている状態(表示fps=4fps)ですね。
これはつまり1秒間を6秒間に引き伸ばしてスローモーションにしてあげている状態なんです!
イメージとしては、例えば24ページの漫画(素材)があったときに、1時間で24ページ
読めるAさん(24fps)と1時間で4ページしか読めないBさん(4fps)がいたとします。
最初から同時に本を読み始めたとして、本を読み終えるのはAさんは1時間後、Bさんは6時間後ですよね?要するにBさん(4fps)のほうが本の情報をゆっくり処理して漫画の動きもスローになっている状態なのです。
低fps撮影を高fps編集すると...?
では逆のパターンはどうでしょうか。
フレームを使い回した場合
例えば素材が4fpsで24fpsで表示した場合は?
元々の素材が1秒あたり4フレーム分しかありませんから、24fpsの編集、表示でも1フレームを6フレーム分ずつ使い回して表示すれば4fpsで編集した場合と同様の結果が得られます。
左が4fpsの素材を4fpsで表示したもの、右が24fps編集で1フレームを6フレーム分ずつ表示したものになります。
素材がそもそも4フレーム分しかないので同じ動きになってしまうわけですね。
ようするに4枚のパラパラ漫画(撮影fps=4fps)があったら、その4枚を6枚ずつに書き写して1秒間に24枚という素早さでパラパラしている状態(表示fps=24fps)です。
ではもし4fpsの素材を24fps表示で1フレームずつ表示したらどうなるでしょうか?
低fpsのフレームを1フレームずつ表示したら早送りに!
元々の素材が1秒あたり4フレーム分しかないものを24fpsで1コマずつ表示した場合...フレーム足りなくならない?1秒に満たなくならない?って思いますよね。
そうです、1秒の映像が4/24=1/6秒の超早送りの映像になってきます。
ようするに4枚のパラパラ漫画(撮影fps=4fps)があったら、その4枚をそのまま1秒間に24枚という素早さでパラパラしている状態(表示fps=24fps)です。
「じゃあ低フレームレートで撮影すれば早送りができるんですね!」
と思ったそこのあなた!
大正解!!!
と言いたいところですが、ちょっと違います。
今までの4つの図を組み合わせて並べてみましょう
早送りしている24fps編集の図にあるこのカラーのフレーム、24fpsの素材にも含まれていますよね?
そう。24fpsで撮影した素材も、間の5フレームを間引いて24fpsで表示すれば早送りはできるのです。
24fps表示でできる表現も4fps表示でできる表現も、24fpsの素材があればできてしまうのです!
ところがどっこい4fpsはそもそも4つのカラーのフレームしかありませんから、カクカクな4fps上段の表現しかできないんですね...残念です...
要するに低フレームレート撮影じゃないと早送りができない訳ではなくて、高フレームレート撮影でも早送りは可能です。
ようはパラパラ漫画でも最初に書いた枚数(=撮影したfpsが)多ければ多いほどパラパラの速度を変えたり、間の絵を抜いて枚数を変える事でスローや早送りなど多彩な表現が可能という事です!
低fps撮影のメリット
ここまで読むと、「早送りしたい時も全部高fpsでとればええやん!それで事足りるやん!高fps万歳!」と思った方も多いでしょう。
ですが早送りをしたいときに低fpsで撮影するメリットはちゃんとあります。
前回お話したデータ容量の問題です。
次回詳しくお話しますが、「じゃあ低フレームレートで撮影すれば早送りができるんですね!」といったそこのあなたは物凄く鋭いです。
確実に早送りのみで使用する素材の場合はデータ容量、画質等の観点から低フレームレートで撮影するのが正解です。
高fps撮影のメリット
ただし動画を撮影する際にもしスローを使う可能性が少しでもあるシーンを撮るのであれば、高fpsで撮影しておくほうが情報量も多く、編集の自由度も上がるためメリットがあることが多いでしょう。
人によっては編集の自由度が上がるからという理由で全ての素材を60fpsや120fpsで撮影しておく人もいたりします。
まとめ
・パラパラ漫画の枚数≒撮影フレームレート
・パラパラ漫画のパラパラ速度≒表示フレームレート
・高fps撮影をフレーム順に低fps表示するとスローモーションが作れる!
・早送りは素材が高fps撮影でも低fps撮影でも可能!
・低fps撮影のメリット:データ容量が少ない!
・高fps撮影のメリット:再生速度において編集の自由度が高い!
いかがでしたでしょうか。
小学生にも理解できる文章を心がけたいのですが、けっこう複雑なお話なのでどうしても説明も複雑になってしまいますね...
もしわからない事がありましたらコメントやTwitter(@Yukikake_tw)からご質問ください!
次回は「フレームレートの基礎②:撮影、編集における適正フレームレートについて」をまとめて行きたいと思います!
↓続きはこちらから↓